長所は自分では自覚しにくく、短所はいつも目についてしまいますよね。物事をはじめた時等は知識も感覚も浅い為に何をやっても楽しく、自分に才能があるとまで思うところから音楽人生は始まります。でもある程度キャリアを積み音楽の深みや他の人の才能や技術を目の当たりにしてから本当の苦悩が始まります。どれだけ練習しても届かない事が出来、他の人の技術をうらやましくなります。

私がアコギをはじめた２０才台後半の出来事は自分のキャリアにとって大事な分岐点でした。フュージョンやプログレを自分の表現出来るジャンルとしてテクニカルなプレイを信条としていた頃にスタジオの椅子で弾いていた即興の作品を聞いていた音楽仲間がその演奏を高く評価してくれました。自分にとってはなにげなく弾いた事だったのですが、実際に聞いている人には印象的なプレイだったようです。

それからは自分のスタイルが変わりました。テクニカルなプレイよりもメロディーやアレンジ、ギターをまるで語りかけるように弾く事、感情をギターで表現する事に目覚めていったのです。

長所はなかなか自分には見えにくく短所ばかりを修正しようとして躍起になってしまいますが、長所がみつかってからの方が本当の短所や必要な修正点がみつかるようです。

何気ない一言が自分の変化をもたらす事もあります。頑なにならず一度耳を傾けてみてはどうでしょうか？