力を抜く

ギターを弾くには、実は握力も筋力も必要ありません。そうでないとよく見る動画サイトの小学生スーパーギタリストは存在しないし、女性ギタリストの大半は存在しません。右手も左手もいかに力を抜いて弦に指を置き、インパクトの瞬間にだけ指先の角度と押さえる力を与えるかだけで発音していきます。その為に必要なのがフィンガートレーニングとスケール練習なのです。左手は人差し指と親指がどれだけ安定した支点を作れるか右手は弦をどれだけ点を中心に弧を描いて動かせるかです。

日常生活の中にもよくにた操作があります。ギター教室ではそんな事を例にだして分かり易く解説しています。

デジタルのピーク

デジタルと名のつくものには宿命があります。

音量にピークがくると音に成らないノイズを発生させます。アナログだと歪みがあっても音色が歪みますが、余程のオーバーでなければ音楽を壊す程ではありません。確かにデジタルは歪まないように小さなレベルでもノイズはほとんど感じません。じゃ問題ないかというと、音色はある程度のゲインがあって張りのある音色だからこそ人の耳に気持ちよく響くのです。つまりデジタルになってもやはりある程度のゲイン、歪みがある事が小さな音でも”かっこよい”とおもわせる所以なのです。

デジタルの一番苦手な部分が実は音色の一番大事な部分を”便利””共通のフォーマット”の為に失ったわけです。

デジタルに最終的に落ち着く前にいかにアナログなアプローチを絶やさないかがこれからのデジタルを作る要素になると私は考えて今のシステムを作りました。今のシステムが10年後の常識に成る事を目指してデジタルとアナログの融合を目指していきます。

パワー

全ての機材にパワーを追求するとします。ハイパワーのPUにハイパワーのケーブル、ハイパワーのスピーカーケーブルに、マーシャルやレクチのリードチャンネルまでいくと音色をコントロールするのが難しくなっていきます。プレイするのが、パワーコードオンリーならまだ難しい音色を操る可能性はありますが、その上単音リフやsoloまでコントロールするのは至難の技です。

そもそもパワフルに歪みきっている音色をsoloの為に音量をあげるにはボリュームコントロールかブースターで上げるしかありません。飽和しきった歪みの音色のままボリュームをあげるととたんに音程感がなくなったり逆にか細くきこえる所が出てきます。所謂デットポイントです。パワーコードでは気にならなかった事が単音では如実に現れています。

バッキングとリフオンリーだと成立した事も単音だとかえってパワーを失いかねません。バッキングの時にいかに歪みを押さえて単音に芯をだすか、逆に単音は歪みを押さえて音抜けを追求するか、難しい選択ですよね。

アコースティックギターって

アコースティックギターは基本的にはピックアップのないギターを全般的に呼ぶ名前です。ですから、ジャズ用のピックギター、フォークギター、ガットギターも全てアコースティックと呼ばれます。昔はカントーリーやブルーグラス等でマイクのみでPAにとうしていたのですが、他の電子楽器やPAの大音量化のため様々な集音方法が考えられてきました。

最初はビートルズで有名になったギブソンJ160Eのようなマグネットピックアップを取り付けたタイプ。いまはサウンドホールにはさみこんで本体を傷つけないタイプが主流です。マグネットタイプは音が太くどっしりとした低域を再現するため、ストロークに適しています。高音は柔らいのでフィンガーピッキングでは華やかさではものたりないかもしれません。

オーベーションで一躍有名になったのは圧電PUのピエゾタイプです。このPUは高音の美しさが特徴でエフェクターの伸びも素晴らしくロックバンドやドラムサウンドの中でも埋もれない特徴があります。高音の抜けは素晴らしいのですが低音はなかなか拾えません。ちなみにピエゾはガットのナイロン弦も三味線のような和楽器や民族楽器にも取り付け可能なのが長所です。また最近のエレアコは全てピエゾの内蔵が主流のようですね。

最近ではピエゾとサウンドホールの中に小さなコンデンサーマイクをいれて混ぜることによりラインとエアー感の両方を手にいれようとするタイプも出て来ています。

やはりマイクだけでは相当な環境の良さとプレイヤーとギターの楽器の質といった要素が全て揃って実現できるようなんで色々なpuの組み合わせとマイクのブレンドを考えてみれば理想のアコギサウンドがライブで実現すると思います。

高価でなくても組み合わせはできますのでオーナーマドコロまで相談してくださいね。

音の大きさ

楽器のうまい人は、おしなべて音が大きい人が多いのです。この場合は音量が大きいのはではなく、音圧のようです。音量はただうるさく感じてしまうだけですが、音圧があると気持ちの良い周波数が発生する事によりうるさく感じないのです。典型的な例がオーケストラでしょう。生の演奏をホールで聴くとその音圧で風圧まで感じる程です。全ての楽器がうまく配置する事により大きな音でも素晴らしい音響となりえます。

ドラムも音量と音圧の差がわかりやすい楽器でしょう。うまい人がたたくと音が大きくても身体に振動を感じる程鳴っている感覚が伝わってきます。楽器の鳴らし方は力任せに弾くだけではなく力みを抜いてムチをふるうように弦やヘッドにエネルギーを与えれば気持ちの良い周波数がきっと出音に現れる事になるでしょう。